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2020/04/19

【予測】小笠原が揺れると次に揺れるところは?解析の結果、数カ月以内に大地震が起きるところが見えてきた



昨日4/18 17:26に小笠原諸島西方沖でM6.9、最大震度4の地震が起きたが、過去に小笠原諸島あたりでM7クラス以上の地震が起きた後は、数カ月中に大きな地震が起きる地域の傾向が見えてきたので紹介する。

この震域では、東日本大震災の3カ月半前にも起きていたので、巨大地震を予測するためにも非常に重要な内容になる。



■小笠原諸島の地震と津波

小笠原諸島や鳥島あたりでM7クラスの大きめの地震が起きても、本土からかなり距離があるために、通常は本土では大きな震度にはならない。
だが、小笠原諸島に住む人々にとっては脅威で、また津波が発生した場合は本土にも被害が起こる。

たとば、19世紀に以下の2つの地震が起きていたが、非常に大きな津波を伴っていた。


  • 1826年1月:小笠原諸島近海で地震、父島二見湾で津波の高さ推定6m。
  • 1872年秋ごろ:小笠原諸島近海で地震、父島二見湾で津波の高さ推定3m。


そのため、近年は津波を伴う大地震はないものの、大きな地震が起きたときには、津波の発生にも警戒する必要がある。


■小笠原から数カ月以内に大地震の例

今日は、20世紀以降に小笠原諸島付近でM7クラス以上の地震が起きたあとで、国内でどのような地震が起きていたかを調べてみた。

すると、プレート観点から、ある傾向が見えてきた。
以下に、その対応例を示す。

◎1934年02月24日:硫黄島近海、M7.1。
→1934年08月18日 11:38:岐阜県美濃中西部、M6.3、最大震度4。
→1934年10月27日 02:11:奄美大島北東沖、M6.1、最大震度3。
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◎1951年07月12日:小笠原諸島西方沖、M7.2、深さ490km、最大震度3。
→1952年03月07日 16:32:石川県西方沖、M6.5、最大震度4。
→1952年05月08日 09:58:千葉県北西部、M6.0、最大震度4。
→1952年05月28日 16:59:京都府南部、M6.3、最大震度2。
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◎1968年10月08日:小笠原諸島西方沖、M7.3、深さ460km、最大震度3。
→1969年04月01日 04:25:日本海中部、M6.5、最大震度3。
→1969年04月21日 16:19:日向灘、M6.5、最大震度4。
→1969年09月09日 14:15:岐阜県美濃中西部、M6.6、最大震度5。
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◎1970年05月27日:小笠原諸島西方沖、M7.1、深さ350km、最大震度3。
→1970年10月16日 14:26:秋田県内陸南部、M6.2、最大震度5。
→1970年11月10日 09:26:伊勢湾、M6.0、最大震度2。
→1971年01月05日 06:08:遠州灘、M6.1、最大震度4。
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◎1998年08月20日:小笠原諸島西方沖、M7.1、深さ467km、最大震度3。
→1998年09月03日 16:58:岩手県内陸北部、M6.2、最大震度6弱。
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◎2000年03月28日:硫黄島近海、M7.9、深さ128km最大震度3。
2000年06月26日~8月:新島・神津島・三宅島近海で群発地震。
2000年07月01日:神津島近海、M6.5、最大震度6弱、犠牲者1人。
2000年07月09日:神津島近海、M6.1、最大震度6弱。
2000年07月15日:新島近海、M6.3、最大震度6弱。
2000年07月30日:三宅島近海、M6.5、最大震度6弱。
2000年08月18日:神津島近海、M6.1、最大震度6弱。
2000年08月06日:小笠原諸島西方沖、M7.2、深さ445km、最大震度4。
→2000年10月06日 13:30:鳥取県西部、M7.3、最大震度6強
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◎2010年11月30日:小笠原諸島西方沖、M7.1、深さ494km、最大震度3。
2010年12月22日:父島近海、M7.4~7.8、最大震度4、最大60cmの津波。
→2011年03月09日 11時45分:三陸沖、M7.3、最大震度5弱、最大60cmの津波。
→2011年03月11日14時46分:東北地方太平洋沖地震、Mw9.0~9.1最大震度7、犠牲者・行方不明者約2万2000人、津波9.3m以上、最大遡上40.1m。
※その他、前震余震など多数。
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◎2015年05月30日:小笠原諸島西方沖、M8.1、深さ682km、震度5強。
→2010年12月22日 02:19:父島近海、M7.8、最大震度4。
→2011年03月11日 14:46:三陸沖、M9.0、最大震度7。
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◎2015年05月30日:小笠原諸島西方沖、M8.1、深さ682km、震度5強。
→2015年11月14日;薩摩半島西方沖、M7.1、最大震度4、津波30cm。
→2016年04月14日 21時26分:熊本地震(前震)、M6.5、最大震度7。
→2016年04月16日 01時25分:熊本地震(本震)、M7.3、最大震度7。

■小笠原諸島が揺れると

以上のデータから、どういう傾向が見えてくるか。
小笠原諸島は、プレートでいうとフィリピン海プレート上にある。

このフィリピン海プレート上の小笠原諸島あたりの深いところで大きな地震が起きると、数カ月以内くらいに、アムールプレート上、またはオホーツクプレート上で大きな地震が起きるようだ。
これはまだ確信は持てないが、今日解析したところでは、そういう傾向が見えてきた。

アムールプレート上の西日本は、フィリピン海プレートが下に沈み込んでいる。
またオホーツクプレート上の東日本は、東の太平洋プレートから押し込まれている。

■アムールプレート

たとえば、下記のマップは上記データの1934年2月24日の硫黄島近海(M7.1)の地震の後で起きたM6.0以上の地震の震源を示している。
気象庁のマップではオホーツクプレートとアムールプレートの境界線が引かれていないので、フリーハンドで書き入れている。



その6か月後に岐阜県美濃中西部(M6.3)、8カ月後に奄美大島北東沖(M6.1)の地震が起きていた。
これらはフィリピン海プレートの沈み込みで起きた例だ。

■オホーツクプレート

次に、下記のマップでは、2010年11月30日の小笠原諸島西方沖(M7.1)の地震の後で起きた地震の例を示す。
この地震から数カ月以内に起きた巨大地震といえば察しがつくだろうが、3カ月半くらい後に東北地方太平洋沖地震(M9.0)が起きた。

その前後の大地震は、その余震などを含めて、あまりにも多すぎるので、M6.5以上のみに絞って検索している。



■東日本大震災

この多くの犠牲者が出た巨大地震については、簡単にスルーできないので、もう少し解説する。
下記のマップでは、東北地方太平洋沖地震の本震と、2日前、1日前に起きた前震を示す。



これを見ると、本震の2日前にM7.3の地震があり、翌日にM6.8の地震があった。
この2つと本震は、かなり近い位置が震源となっていた。

三陸沖の同じあたりで、M7.3とM6.8の地震が起こることは、それほど稀ではないにしても、「ん?もっと大きなのが来るのかな?」ということを頭の片隅にでも入れておくことが大切だろう。
特に、津波が起きた時に自分や家族が犠牲になるかもしれない地域に住んでいる人々にとては。

もっと言えば、その3カ月半前に小笠原諸島西方沖(M7.3)の地震が起きた時に、たとえば西日本の内陸や東日本の沖合・内陸で大きな地震が続く可能性も考えておけば、イザという時に慌てる度合いが、多少なりとも少なくなるかもしれない。

■熊本地震

2015年05月30日に小笠原諸島西方沖でM8.1の巨大地震が発生した。
この地震は、気象庁によれば1900年以降のM8以上の世界最深の地震となった。



その半年後に、薩摩半島西方沖でM7.1、最大震度4の地震が発生した。
この地震も一つの「サイン」だったかもしれない。
その5か月後に、同じ九州で熊本地震が起きたことを考えれば。

また、同じ九州では、更に5か月くらい後の2016/04/14に熊本地震(前震)、4/16に熊本地震(本震)も起きていた。

■まとめ

この記事のまとめとしては、昨日起きたような小笠原諸島で大きめの地震が起きた後は、数カ月中に下記の地域で大きな地震が起きる傾向がわかってきた。


  • アムールプレート上の西日本、特に内陸の大地震
  • オホーツクプレート上の東日本、特に太平洋側の海溝型地震


ただ、今日調べた限りでは、小笠原の深いところで揺れても「すぐ」には揺れないようだ。
半年から1年未満ぐらいに起きることが多い。

そのへんのメカニズムは不明だが、少なくともデータ的には、そういう傾向が見られる。

このため、昨日の小笠原諸島西方沖M6.9の地震の後も、今年一杯か来年の年明けあたりまでは、該当地域で大きな地震に注意しておいた方が良いだろう。