Adsense

2020/04/12

【前兆】「南海地震は予知できる」~題名に偽りなし~南海トラフ巨大地震の前兆としての異常潮位など



私の「バイブル」の1冊である『南海地震は予知できる』という本は、次の南海トラフ巨大地震のうちの南海地震が起きる際に、どのような前兆現象が起きるかを明確に示している本として非常に貴重なものだ。
この本に書かれた地震予知の方法論を紹介する。




■「南海地震は予知できる」

『南海地震は予知できる 地震が遺した証拠品』(中村不二夫)
2009年に自費出版として出版された本だ。
発売元は高知新聞企業となっているが、発行人と著者がともに中村不二夫氏となっている。

南海地震は予知できる―地震が残した証拠品


この本では、南海トラフ巨大地震の3エリアのうちの、「南海地震」に焦点を当てている。

私は2014年にこの本に出会い、読んだあとで内容の重要さを悟った。
そして下記の記事で紹介していた。

「南海地震は予知できる」~南海トラフ地震の前兆はこれ!」


そして、2015年にはTOCANAでもこの本を紹介した。

7月以降は相当ヤバい!? 「南海トラフ地震」の発生時期には法則があった!!


著者は、地震学者でも科学者でもなく、高知県土佐市で病院のバスの運転手を長年勤めた方だ。
今でも働かれているかどうかわからないが、現在はNPO法人 南海トラフ地震直前予知連絡会の会長をされているようだ。


■貴重な発見の数々

中村氏は各地の古老を訪ね歩き、昭和南海地震(1944/12/07、M7.9)の時の様子を聞き取りした。
その結果、この巨大地震にいくつかの前兆現象があったことがわかってきた。
それらは、以下の通り。


  • 異常干潮:地震前日の夕方5時頃から大きく潮が引いていた。
  • 井戸水が枯れた:高知市の民家では、2~3日前から釣瓶で汲めないくらいに井戸が枯れた。
  • 海水汚濁:高知県宇佐町沖合いでは操業していたサバ漁船が、船の流れを安定させるための漁具に、ドロドロしたヘドロのような汚物が付着し、海藻が腐ったような異臭がした。
  • 地震前の暖気:地震の数日前から、12月にしては異常に暑かった。
  • スルメイカの大漁:その年はスルメイカがよく獲れた。

中村氏は、その後に高知県かどこかから研究助成金を得て、下記の立派なWebサイトを立ち上げた。

『南海地震は予知できる』


■前兆現象としての異常潮位

地震前兆研究家として活動する私が、この本を「バイブル」とする理由が、わかっていただけたかもしれない。
このような作業は、地震学者もされていないことだろう。
自費出版もお金がかかっただろうし、このような聞き取りも膨大な時間を費やしたはずだ。🙏

この記事で問題としてクローズアップするのは、上記1の異常干潮だ。
中村氏は、日本地震学会で研究発表も行っているようだ。
そのうち、2018年度に下記の内容を発表された。

2018年度の発表:
『「歴史から学ぶ」南海トラフ地震と潮の狂いの関係』


これによると、過去の南海地震の前には、異常潮位が観測されていた。
潮の狂いは、発生時から地震が起きるまでの数日間(宝永地震で27日、安政南海地震で20日)、リアルタイムで観測、分析できるとある。


■潮位の観測で巨大地震を予知できる

歴史上の南海トラフ地震では、判明しているだけで6回(昭和南海地震、昭和東南海地震、安政南海地震、安政東海地震、宝永地震、正平地震)、 そして相模トラフで元禄地震、関東大地震の2回、いずれも地震前に同様の潮の狂いが発生していた。

このような実績があるために、太平洋沿岸部に潮位計を設置して観測を行えば、南海トラフ巨大地震は予知できる可能性があるという。

中村氏によれば、東日本大震災の前にも同様の異常潮流や漁獲量の上昇があったという。
そのことは今日は時間の余裕がないので、また後日紹介したい。


■潮位観測データ

この中村氏のサイトで注目すべきところは、高知県土佐市宇佐などの潮位をリアルタイムで公開している点だ。
そして、自動でグラフまで作成して公開している。

これらのデータを日々チェックしていれば、何らかの異変があった時に気が付くだろう。
もっとも、私は毎日このサイトをチェックする余裕がなかったから、やっていないが。
このサイトで、閉じた世界ではなく、何らかの形で外部にアラートをメール配信などできれば良いと思うが、そのためには予算が必要で、難しいのだろう。

…と、ここまで書いて、『リアルタイム地震前兆データ』のページに潮位のWebカメラを埋め込めば良いと気づいた。
それで、すぐに実行した。

『リアルタイム地震前兆データ』


このYouTubeライブ配信では、夜間は真っ暗に見えるが、過去12時間まで遡って昼間の状況を見ることができる。
夏季は日中の映像の例だが、恐らくこのレベルを超えると潮位が高いと判断するのではないか。




潮位の詳細の状況を知るためには、このサイトの他のページにあるデジタルの潮位表示や、グラフを参照すれば良い。


■南海トラフ巨大地震は予知できる!

以上、淡々と書いてきたが、じつは大変なことなのだ。
このような手法で観測することによって、他の地域でも南海トラフ巨大地震の前兆を捉えることはできるだろう。
それによって、もしかすると何万という命を救うことできるのだ。

過去の南海トラフ巨大地震は、すべて7月~2月に起きていたが、そのうち12月が最も多かった。
現在続いている黒潮大蛇行が、最短で今年いっぱいくらいに収束するかもしれず、そうなるとその直後に巨大地震が発生する可能性が出てくる。

実際にそうなると、今年12月あたりは一つの発生の可能性として注視しなければならない。
もし実際に12月かその前後の冬季に起きる場合は、その年の夏は異常に暑かったということになるかもしれない。

高知県だけでなく、南海トラフ巨大地震で被害が予想されている各県で、同様の試みを行ってもらいたいものだ。
近畿地方の各県の住民の方々が、自治体に働きかけてはいかがだろうか。

この『南海地震は予知できる』、実は私が6年前に購入した古書は、何か水をかけて汚れてしまって、今日Amazonで再度古書を注文した。
残りはあと10冊ぐらいで、自費出版であるだけに、古書がなくなったら最後だろう。